「みりん」の選び方① ~歴史と製造方法・原料~

「みりん」は、和食に欠かせない調味料の一つです。

一般的には調味料として認識されますが、実はお酒です。例えば、「みりん風調味料」などと書かれた加工品は、本物の「みりん」とは異なるので注意が必要です。本物の「みりん」はお酒として飲むこともできますし、砂糖の代わりにスイーツ作りにも使えます。

「みりん」の起源には、中国から伝来したという説や、日本に古来からあったものから発展したという説があります。中国伝来説では、中国新町時代にあった「ミイリン」という甘いお酒が、戦国時代に日本に伝来して「みりん」に変化したとされています。一方、日本に古来からあったものから発展した説では、「練り酒」と呼ばれる甘いお酒や「白酒」に焼酎を加えることで「みりん」が作られたとされています。

しかし、中国伝来説の方が有力とされており、戦国時代には女性やお酒が弱い人に飲まれるなど、飲用のお酒としても親しまれていたとされています。

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伝わってきた当初はみんなお酒として飲んでいた

江戸時代ぐらいになると、飲む用だけではなく、当時貴重だった砂糖の代わりに調味料として使われ始めました。つまり、砂糖の代わりに調味料として少しずつ使われるようになったのが江戸時代です。

その後、明治時代や戦前にかけて、一応その調味料として使われるようになったものの、まだ家庭での使用は本当に贅沢品であったため、高級な日本料理店、割烹料理屋、懐石料理屋、そしてうなぎ屋など、ある程度の専門店でしか使われていなかったのです。

また、みりんは酒税法の制定によって、販売が酒屋に限定されていました。そのため、他の調味料と同じように、醤油を買いに行くついでにみりんを買うことがスーパーや小売店で難しかったのです。

そのため、家庭での普及は遅れました。しかし、昭和30年代になると、みりんは一般家庭に広く普及し始めました。それでも、もはやみりんは飲むようではなく、調味料としての位置づけがもう一般的になってきたのです。

つまり、昔はみりんといえば甘いお酒の用のお酒だったのですが、昭和30年代にはみりんは調味料という認識になり、飲むというよりも、調味料として使われるようになったのです。

以上が、みりんの歴史です。現在は一般家庭に普通に置いてある調味料の一つですが、その歴史は浅く、和食に必ず使われるというイメージがあるかもしれませんが、昔はそうではありませんでした。

次にみりんの原料について見ていきます。

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みりんも一応発酵食品の一種です

なぜかというと、米麹を使っているからです。発酵しているわけではないのですが、米麹を使用していることで、一応発酵食品の部類に入ります。

原料は、もち米、米こうじ、焼酎の3つだけです。本来のみりんは、この3つが原料で、焼酎も乙類と甲類の2種類ありますが、本みりんは乙類の焼酎を使用しています。

本格的なみりんは、これらの3つを使って作られます。製造方法は、以下の通りです。まず、うるち米ともち米を蒸し、米こうじ様のうるち米も蒸します。次に、うるち米の方は、種麹をつけて米麹を作ります。そして、一番で蒸したもち米と2番で作った米麹に焼酎を加えて混ぜ合わせ、もろみを作ります。その後、大きな容器に入れて3ヶ月から6ヶ月間熟成させます。10日熟成ですが、この間に甘くなっていきます。そして、約半年後に一旦絞って、その液体を熟成させます。搾った後、その液体をさらに1年以上熟成させるのが一般的です。熟成期間は、蔵によって異なりますが、本格的なみりんは、1年以上寝かせることが一般的で、3年以上の長い熟成期間の商品もあります。

みりんの作り方は非常にシンプルです

米を蒸して麹菌を加え、混ぜ合わせ、それを熟成させるだけです。これが本格的なみりんの作り方です。

そのため、時間がかかります。熟成には1年から3年かかる場合もあります。しかし、長期間熟成させることによって、アミノ酸が生成され、味わいが深まります。また、この熟成期間中に、米麹の酵素がもち米のでんぷんを分解し、甘味とコク、香りをもたらします。

熟成期間中には、この米麹が含む酵素によって、もち米のでんぷんが分解されて、糖になります。また、もち米にはタンパク質も含まれていますが、これも分解され、アミノ酸に変わります。つまり、米麹の酵素によって、もち米のでんぷんやタンパク質が分解され、味や風味が加わるのです。

以上がざっくりとした製造方法についての説明です。次回は、みりんの種類について、どんな種類があるのか、分類方法はどうなっているかについて説明したいと思います。

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