豊田市の「蔵元 桝塚味噌」さんにて開催されている ”みその学校” に参加してきました。

愛知県豊田市にある、昔ながらの天然醸造にこだわった味噌蔵「蔵元 桝塚味噌」さん。

こちらの蔵では、月に1回「みその学校」と題した蔵の見学会や手前味噌作りなどのワークショップを行っています。最近は、手前味噌作りがブームになってきたということもあり、各地で味噌作りの教室などが多数行われるようになりました。そして、そのほとんどの教室で作られているのは米味噌だと思います。

しかし、ここは愛知県。愛知県といえば、豆味噌ですね。

なんと桝塚味噌さんの教室では、豆味噌を自分で作ることができちゃうんです!

米味噌なら全国どこの教室でも作ることができますし、材料の米麹もどこにでも売っているので家庭で作るのも簡単ですが、豆味噌を手前味噌で作るのはなかなかハードルが高いんです。まず、材料の豆麹が売られている数がとても少ないので入手が困難なこと。そして、豆麹を手に入れられたとしても、大豆だけで作る豆味噌はできますが、本当の豆味噌は作れないんですね。

というのも、豆味噌の作り方は米味噌と違い、蒸した大豆を丸めて味噌玉にし、そこに種麹を根付かせたものから作ります。この、味噌玉に麹をつけたものを作るのが家庭ではなかなか難しいんですね。

だから、豆味噌文化の愛知・岐阜・三重の東海地方でも、手前味噌で味噌玉から作る豆味噌を作ることは難しく、教室やワークショップなどでも豆味噌を仕込んでいるところはほとんど無いと思います。

なので、桝塚味噌さんが開催されている「みその学校」で作らせてもらえる豆味噌は、とーっても貴重なんです!

桝塚味噌さんの思い

愛知環状鉄道の北桝塚駅からすぐのところに、桝塚味噌さんの蔵はあります。

大きな敷地には全部で15個の蔵があり、事務所と販売店舗も併設されています。

この場所は、もとは岡崎海軍航空隊の飛行場だったそうです。飛行機の格納庫や兵舎だった建物を、そのまま味噌蔵として使っているのだとか。

この飛行場ではどんな訓練が行われていたのかというと、たくさん並んだ箱のような操縦のシュミレーターに人が入り、操縦の訓練をしていたんだそうです。その箱はアメリカ兵から「カミカゼシュミレーター」と呼ばれていていたようで、要は、この場所では特攻隊の訓練が行われていたということです。

この話を、パネルに貼られた当時の写真を見ながらなんともいえない表情で説明してくれる社長さん。

死んでいくための訓練をしていたこの場所で、味噌を作ることの意味。それは「生きること」の大切さを伝えていくこと。生きることは食べることだということを、味噌作りを通して伝えていきたいという思いがあり、またこの場所で味噌を作り、食べることは生きるこということを次世代に伝えていくことが、この蔵の宿命であると、熱く語っていただきました。

蔵のパンフレットにも、桝塚味噌さんの思いがしっかりと書かれていますが、その内容は本当に素晴らしく共感できるものでした。同時に、ここのお味噌は絶対に美味しいだろうなと確信しました。やっぱり、作り手の方の思いや、この味噌の生い立ちを知ることってとても大切ですね!

蔵の見学

年季の入った木桶がいくつも並び、その大きさと重厚さは圧巻です。

大きな桶が並ぶ中に、二つだけとても小さな桶が。これは、瀬戸で愛知万博が開催されたときに仕込んだ味噌で、約10年物だそう。

とても人柄の良さそうな社長さん。楽しいトークで蔵の中を案内してくれます。

これは比較的新しい桶。なんとなく近代的な形をしてますね。

お塩はこれを使っているようです。

そしてこれが、一番古い桶。1865年(元治2年)に造られたものだそうです。何度も補強され、竹の箍(タガ)だったのが今は鉄の箍になっています。こんなに古い桶で今でも味噌を仕込むことができるって、不思議ですよね!

桶が150年もの長い間生き残れるのは、毎年かかさず味噌を仕込んでいるからなのだそうです。桶は、年月が経つにしたがってだんだんと木の色が濃くなり、味噌のようになっていく。そうなるともう、絶対に裏切らない必ず美味しい味噌ができるのだそう。

「味噌は、つくらない。」

作るのではなく、育てる。というのが桝塚味噌さんの根本的な考えです。

↑これは豆味噌からとれる本溜まり。液体だけどトロッとしていてとても濃厚なお味です。蔵の見学では、この貴重な溜まりを舐めさせてもらえます!

みその学校

蔵の中に昭和レトロな教室が作られており、そこが味噌のお話を聞いたり手前味噌を作ったりする場になっています。このイスや机は実際に昔の小学校で使われていたものだとか。

ほんわか味噌の香りが漂う、微生物のたくさんいる静かな雰囲気の良い空間で受ける授業は最高です。

ここで、味噌の基本を原料や作り方などから分かりやすく教えていただき、その後は豆味噌の仕込みです。

これです、これこれ!

これが、蒸した大豆を丸めて麹菌をつけた味噌玉です。

なかなかこれにお目にかかる機会は少ないですよ!発酵好きはかなり萌える!

潰すとこんな感じ。美味しそうな匂いが漂ってきます。

米味噌を作る場合は、茹でた大豆をかなり粒が無くなるまで潰しますが、味噌玉から作る豆味噌は、味噌玉は軽くつぶす程度でOK。

塩と水の量は、その日に味噌玉の重量を測ってから決めます。味噌玉はとても繊細で、湿度などの影響で日によって重量が変わるので、仕込む日の味噌玉の具合で塩と水の量を調整しなければいけないんです。

味噌玉をつくるまでの作業は前もって蔵の方で準備してもらえるので、教室で仕込むのは混ぜる段階だけなんですが、それでも味噌玉から仕込む豆味噌を作れるなんて他ではなかなかできない、とっても貴重な体験です!

空気が入らないように容器に詰め、最後に塩を振っておきます。このまま持って帰り、家に帰ったら重石を乗せて、1年以上熟成させます。

米味噌などに比べて豆味噌は熟成期間が長いのが特徴です。最低1年は熟成させたほうが良いですが、長く熟成させればさせるほど美味しくなるというわけでもなく、頃合いを見て「美味しい」と感じるときにみそ出しをするのが良いそうです。

とっても楽しかった「みその学校」。これは子供も絶対に楽しめる学校ですね。夏休みの自由研究とかにもいいかも!

最後に、お味噌汁を出していただきました。

めちゃくちゃ美味しかった♪

店舗では、お味噌やその他の加工商品などが販売されています。

嬉しいのは、その場で桶から出してくれる「量り売りスタイル」。昔ながらの手包みで、なんだかホッコリします。

豆味噌だけでなく、いろんな種類のお味噌が選べますよ。

私は、本溜まりを購入。これが無いと刺身が食べられませんからね♪

蔵から直接購入するのが一番おススメですが、楽天でも一部は購入できるようです↓


野田味噌商店無添加 豆味噌無為自然1個

業務用も↓


【関東・中部・関西地方送料無料】他地方送料756円引き桝塚味噌 天印 摺 (無添加)20kg マスヅカ味噌

わが家でじっくり熟成させる豆味噌。1年後が楽しみです
(*´▽`*)

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