【 ①-1 発酵基礎 】

 発酵と腐敗

発酵も腐敗もどちらも「微生物」が行う生命活動です。

 「微生物」とは自然界の中で「分解者」の役割を担っている生物のこと。

 地球上から「分解者」である「微生物」がいなくなってしまったら、 自然界のバランスは崩れてしまいます。そのくらい重要な役割を担っているのが微生物(菌やカビ)。

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※※注意※※
この記事は、基本的に講座のレジュメ用の箇条書きです。
(文章としては読みづらいですが、大切な情報はしっかり網羅しています)

この微生物達は人間のような感情は持っていないので、好きとか嫌いとかでなく、自分達だけが繁栄したい(繁殖したい)という欲しかないのです。

そして、自分達が繁栄するために必要な生命活動として「分解」 という活動を行います。

 顕微鏡で見ないと見えないぐらい小さな生き物なので、栄養を吸収するためには細かく分解しないと吸収できません。

「微生物が分解する」という行為は、簡単に言ってしまえば分子を細かくするということ です。

微生物が分解し最終産物として産出したものが人間にとって有益であれば「発酵」、有害であれば「腐敗」というように、人間の都合で勝手にばっさりと分けているのが

「発酵と腐敗」。

例えば、でんぷんを分解してブドウ糖に変えたら 有益 、もしくは人間側から見て 善玉菌 による 生命活動を人間は勝手に 発酵 と呼びます。

人間にとって有益か有害か

例えば、たんぱく質を分解してアミノ酸を生成したら有益、しかしアミノ酸を更に分解して神経毒であるアンモニアに変えたら人間にとって 有害 、もしくは人間側から見て 悪玉菌 による 生命活動なので、これを人は 腐敗 と呼びます。

つまり『発酵』と『腐敗』というのは人間の都合で、人間が勝手に区別していることで 微生物にとってはどちらも同じ生命活動です。

なので、発酵と腐敗という言葉は人間にしか通用しません。

例えば、昆虫や植物ではまるっきり基準が違ってきます。犬や猫もです。

犬や猫に人間の食べ物を与えていると、糖尿病・ガン、痴呆症・痛風など、あり得ない病気になってしまうのは言うまでもありません。

地球上の生き物は皆、この微生物と、微生物が分解を行うにあたって使う道具として、酵素 というものを使います。

この2つが無いと生命を維持することができないのです。

そして、生き物によってこの微生物と酵素の関り方(アプローチの仕方や判断基準)が変わってきます。

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生き物の種類によっての微生物との関わり

・・・地球上を最初に支配したのは何でしょう?

もちろんそれは、微生物ですが、

順番としては、微生物→植物→恐竜→鳥類→哺乳類 となります。  

その中でも目に見える生物として最初に反映したのが、植物です。

その植物がどのように繁栄したかというと・・・

植物は昔、海の中にしかいませんでした。しかし、「陸でも生きたい!」という欲を出して陸に上がってきました。そこでまず植物が驚いたのは、空気中には栄養が無いということ。

海の中であればいくらでも海中でいくらでも栄養素を吸収できたのに、陸ではそれがままならないので、なんとかして栄養を吸収しようと根を張って土の中の養分をとったりしましたが、自力では吸収しきれず滅びます。

それでもまた再び陸に上がろうと試み、滅び、それを何度も繰り返すうちに植物の根っこの先に微生物が住みつくようになりました。

植物の根っこの先に、分解者である微生物が住み着くことによって、まず根っこの先で分子を細かく分解してくれるようになったのです。いわゆる土壌菌ですね。

それにより、植物は栄養を吸収しやすくなり、一気に繁栄していったのです。

もちろん葉のまわりにも微生物がおり、人間の表皮常在菌と同じように微生物に守られていました。

昆虫なら?

また、昆虫で言ったら例えばハエです。

ハエというのは、哺乳類の便に寄ってきますよね。

それを見て人間はたいてい「汚い」と思いますが、ハエにとったら哺乳類の便というものは、哺乳類が自分の酵素を使って分解して排泄したものであり、分子が細かくなっていて吸収しやすくなっている有難い食べ物なのです。

だからハエは便にも寄ってくるし、人間が言うところの腐敗物にも寄ってきます。それは、発酵と腐敗の基準が人間とはまるきり違うからなのです。

ハエは、分解されているものへの許容範囲が広いので、人間がいうところの発酵物にも腐敗物にも寄ってくるのです。

ちなみに、ハエが苦手なものは Bacillus という属性を持った菌。Bacillusという菌は、繁殖力が強く強烈な菌で農薬などにも使われています。

正式名称は、

      Bacillus  subtilis  var.  nattou (バチルス・サブチリス・バリエタス・ナットウ)

そう。納豆菌です!

日本人がBatillusという属性の菌を繁殖させて食べるもの、それは納豆。

実は納豆にはハエは寄ってこないのです。生ごみに群がっているハエはよく見ますが、生ごみの袋に納豆の食べ残しが入っていたら、ハエは寄ってきにくいでしょう。

このように、生き物によって得手不得手があるので、「発酵と腐敗」というのは人間にしか通用しないのです。

民族による違い

さらに細かいことを言えば、同じ人間でも民族が違えばズレは生じてきます。

国が変わると微生物の種類はまるきり変わります。空気中・海の中・土の中全てにおいて。

そうすると、おのずと植物の生態系も変わってきます。日照時間・風の吹き方も変わってくるので、そこに生息する植物の茎の太さや葉の厚さも変わってきます。

すると、動物の生態系も変わってきます。当然それを食べる人間の身体の作りも変わってくるのです。 

もちろん、気候や風土が違えば調味料も調理方法も変わってくるので、国によって食文化が全く異なってきます。

そうすると、民族によって分解できるものとできないものの得手不得手が出てくることになります。

したがって、

インドの人にとって身体に良いと言われているもの、

中国の人にとって身体に良いと言われているもの、

アメリカの人にとって身体に良いと言われているもの、

ヨーロッパの人にとって身体に良いと言われているもの、

 それらが全て、日本人にとって身体に良いかと言われると、そう言う事ではないのです。

血液型の話

現代においては大分血が混ざってきているので一概には言えませんが、もともと血液型というのは持っている酵素が違うというところで分けられていると言われています。

もともと人間はアフリカ大陸にだけ居り、狩猟民族でしたが、人間が増えすぎたので住む場所を求めて他の地域へとどんどん移住していきました。

その過程で、その土地土地の生活スタイルに合った農耕民族と酪農民族が出てきます。

  農耕民族は、穀物を分解することに長けていた→A

  酪農民族は、乳製品を分解することに長けていた→B

  狩猟民族は、タンパク質を分解することに長けていた→O    

もともと人間はO型だけだったそうですが、生活環境や食生活の変化などによりそれぞれが持っている酵素に違いが生じ、A型やB型が出てきたといわれています。

なお、農耕民族にはA型が多く、酪農民族は型、狩猟民族はO型が多いとされています。実際、日本人の昔から農耕民族なので今でもA型の割合が多いですよね。

また、同じ日本でも沖縄には「豆腐よう」という中国の紅麹使った発酵食があるように、本州と沖縄では微生物の種類が違ったりします。

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日本は発酵食の最先進国

日本は、発酵という分野に関しては世界でも最先進国です。

というか日本だけがとびぬけて発達しているのです。

それはなぜか?

それはひとえに、  というカビのおかげです。

では、麹が関わって作られる発酵物は何があるでしょうか?

  味噌・醤油・日本酒・味醂・お酢・鰹節(枯節に限る)

といった代表的な調味料以外にも、かぶら寿司、飯寿司、ハタハタ寿司などの馴れずしや、甘酒などももちろん麹が使われています。

これらの基本調味料と、あとは昆布と塩があればほとんどの和食を作ることができます。逆に言うと、麹がなければ和食は作れません。したがって、麹カビは和食の礎になった、とっても偉大なカビなんですね。

基本の調味料を正しく選ぶことが重要

このような、麹から作られる調味料のような身体に良くて美味しい調味料は、世界中どこ探しても日本にしか無いのです。

なので、その重要な調味料はちゃんとしたものを正しく選ぶことが大切です。

日本は、美容とか健康に対しての商品にものすごく流行りすたりがありますが、どこかの国から輸入されてきた健康食品や最新の健康食に飛びつく前に、まずは日本の伝統的な発酵食の中心である調味料を、しっかりと選ぶことが大切なのです。

昔ながらの発酵調味料にかなうものはない。

世界中の人がそれを知っているのに、残念ながら日本人だけがそれに気づいてないのです!

日本人にとっての発酵=分解

麹は世界でも稀にみる、分解能力に長けた微生物。

分解されることによって身体にどう影響があるか、味にどう影響があるか。発酵食を知るにあたって、そういったところを考えていくことが大切です。

微生物が「分解」を行うにあたって必要となってくるのが「酵素」。なので、次回は「酵素」についてのお話です。

* この記事の参考文献:「醸造料理人・伏木暢顕 認定  醸せ師講座テキスト」

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